「西武旅するレストラン」のエクスペリエンスをひもとく
先日、「西武旅するレストラン」を利用した。
美味しい料理に感じのいい空間。乗った後、「なんかいい、すごくいい!」という感覚が残ったので、
なぜいいかを紐解いてみました。
色々紐解いていくと、戦略として発見があると思ったので備忘録までメモ。
◆西武旅するレストランとは
西武鉄道が提供する、新しい旅のスタイル。
都内~秩父間のお客様を運ぶ、ただの電車。
が、極上のお料理と景色と共に、特別で上質な時間を楽しめる空間に。
ディナーは1万5000円くらいで、競合(伊豆クレインとか)と比べるとお手頃価格で若者にも手が届く。
◆戦略面をひもとく
どうして、電車が「特別で上質な時間を楽しめる空間」になったのか。
それは秩父に行きたくなる理由を作りだす必要があったから。かと。
その背景には西武が苦境の時を迎えていた、経営再建時がキーにあるらしい。
*外資に買収されそうになった時、秩父の路線だけは守り抜いた、だからこそ、秩父は常に人がいる状態にしなければならないのだと。(ソース:電車男。かなりざっくりまとめてしまいました)
もともとの西武鉄道の目的は、「この夢の旅列車に乗ってもらう人を増やす」のではなく「秩父に来てもらう人を増やす」こと。旅列車は手段。
目的を達成するために秩父でイベントやるよ!など、秩父内で何かやったって、中途半端な場所にあって、わざわざ行くまでもない秩父に人は来ない。
だからこそ、行くまでの「過程」に着目し、その過程である「電車」に価値を作ったのではないかと。
まとめると、
であって、そのための「秩父に行きたくなる理由(WHY)を作る」(戦略)
ための、旅するレストラン(戦術)なのだと思った。
◆解決策面(戦術)をひもとく
・五感をフレームワークに見ていくと…
-視覚(料理の見た目、美しい秩父の自然)
-味覚(秩父の食材を使った美味しい料理)
-嗅覚(同上)
-聴覚(上質な音楽。接客スタッフ自らが演奏するバイオリンコンサート)
-触覚(秩父おやつ、お土産)
・ハード面・ソフト面で見ていくと…
<ハード面>
-秩父の伝統工芸品(和紙など)を使用した、天井設備
-落ち着いた色のデッキ
-ゆとりのある52席
-数々のお土産
<ソフト面>
-スタッフのゆとりあり丁寧な接客
-落ち着いた音楽
-飲み放題ドリンクサービス(お得感)
-写真撮影サービス
-料理の色合い・見た目の良さ
→これらがこの52席を「至福」たらしめる要素なのだと思った。
◆考察
・過程に注目すると、新しい価値づくりができるなあと。(秩父内ではなく、その周辺にある、秩父に行くための足に着目)
・「52席」の至福 のように数字で縛ると限定感ができて、特別観がますなあと。
・コンセプトのキーファクターは絞るほうが伝わるのだなぁと(今回は景色と極上料理)
この旅するレストランの体験を購入すると、1万5000円で
・列車チケット(移動・食事)
・秩父沿線電車乗り放題チケット(今回使わなかったくうう)
・秩父にまつわるお土産
が提供される。おとく。
車内に乗ってる人たちはほぼ晴れの日の人たちだった。(結婚記念日、誕生日)
特別な体験にみなお金を使っているのだな~。
ちなみに秩父駅には、2017年春(最近だった)駅前温泉がある。
岩盤浴とお風呂(充実)、マッサージを楽しんで都内に戻った。駅周辺で秩父を楽しむこともできる。
温泉入るためにまた秩父行きたいな~
後半疲れつきましたが、以上ずっと書き留めておきたかった「西武旅するレストラン」の備忘録でした。